非常食用に一家に一本は欲しい!パンノキを調理して食べてみた

11月から12月にかけて、ご近所さんの庭に初めてパンノキの実がなりました。

栽培しはじめてからわずか5年なのに、いきなり数十個もの実をつけたのでおすそ分けしてもらいました。

わが家では6年以上栽培しているのに一個も実がつかない。泣

ちなみにこのご近所さんはミクロネシア出身で、パンノキの栽培・利用・調理・保存法にくわしく、色々と教えてもらいました。

せっかくなので教わった簡単な調理法でパンノキを調理して食べてみました。

パンノキの基本情報

学名 Artocarpus altilis(クワ科パンノキ属)
英名 Breadfruit
別名 ウル、ブレッドフルーツ
原産地 ポリネシア
おすすめ度 ★★★★☆

パンノキはポリネシア原産の果樹。

現在、ニュージーランドとイースター島を除くほとんどの太平洋諸島、カリブ海全域、中南米、アフリカ、インド、東南アジア、マダガスカル、モルディブ、セイシェル、インドネシア、スリランカ、オーストラリア北部、フロリダ南部を含む90カ国の熱帯全域で栽培されています。

パンノキの属名「Artocarpus」はギリシア語のパン(artos)と果実(karpos)が由来。

その由来どおり、パンノキの実は成熟のあらゆる段階で調理して食べることができるため、広く熱帯地域で主食となっています。

ちなみにハワイではウル(Ulu)という呼び名で親しまれています。

パンノキはハワイ固有の植物ではありませんが、ポリネシア人によって持ち込まれたカヌープランツ(伝統植物)の一つです。

「戦いの神クーが人間の家族を養うために自分自身をウルの木に変身させ、ハワイ諸島に果樹を広めた」というハワイ神話まであります。

パンノキの寿命は数十年にも及び、地球上で最も収穫量の多い食用樹の一つとされています。

1本の木が1年間に100~200個以上の実をつけることも。

生長も早く、他の作物に比べて栽培に労力や肥料、農薬をほとんど必要としません。

このことから飢餓や栄養不足に対抗する植物だと考えられています。

木材としての利用価値も高く、カヌーやサーフボードの用材や家屋の建材にも活用されてきました。

タネありとタネなしの品種があり、タネありの品種(Breadnut)にいたっては、ジャックフルーツ同様、種子も調理して食べることもできます。

今回もらったのはタネなしのパンノキです。

 

パンノキの旬はいつ?

ハワイ島では7月〜2月がパンノキの季節。

パンノキ(未熟)の外観と食べ方

これは収穫した翌朝のパンノキ。

果皮は黄色がかった緑色で、さわると固いです。

表面には蜂の巣状の六角形の模様があります。

縦の長さは約15センチ、重さは1152グラム。

表面についた白いものは、収穫時に出るラテックス(白い樹液)が固まったもの。

このように実がまだ青く未熟な状態でも、火を通せば食べられます。

わが家でも過去に色々な調理法を試してきました。

  • オーブンで丸焼き
  • 天ぷら
  • 素揚げ
  • カレー(じゃがいもの代用)

天ぷらが得においしかったです。

じゃがいもに似た風味ですが、じゃがいもよりももちもちとした食感があります。

また、さつまいものような甘さは感じません。

未熟なパンノキの調理前のカット方法は、次の項目「パンノキ(成熟)の外観と食べ方」と基本的に同じです。

 

パンノキ(完熟)の外観と食べ方

収穫後、4日ほど室温で寝かせると、パンノキはこのような外観になりました。

外皮の色は茶色くなり、触ると柔らかいです。

(じゃっかん熟しすぎた感あり)

パンノキの実のココナッツミルク煮を作って食べてみた

今回ご近所さんに教えてもらったのは、熟したパンノキをココナッツミルクで煮つめるという超簡単なレシピ。

必要な材料

パンノキ・・・1個

ココナッツミルク(無糖)・・・1缶(400 ml)

ココナッツミルクを1缶(400 ml)まるごと使いました。

その手順は以下のとおり。

パンノキの皮をむきます。

皮をカットして取り除くと、クリーム色のきれいな果実があらわれます。

(じゃっかん?熟しすぎていたので、指の跡が残ってます)

これを縦半分にカット。

中央には芯(赤茶色)があり、芯のまわりにクリーム色の果肉が繊維状にのびています。

これをさらに縦半分にカットして、芯をカット。

芯のまわりにはゴマ粒大の種のようなものもカットして取り除きます。

これを食べやすい大きさにさらにカット。

これでパンノキまるごと一個分。

かなりやわらかくて形が一部崩れちゃいました。

この時点でつまみ食いしたら、ねっとりとした食感で、ほんのーり甘みもあり、生なのに意外と食べれました。

これを鍋に入れてココナッツミルクを投入。

中火にかけ、沸騰したら弱火にします。

これをかきまぜながら30〜40分煮つめたら完成!

ココナッツミルクとパンノキの実は相性がよく、なかなかおいしくできました!

温かいデザートという感じです。

あまり甘みもなく、食べつづけていくうちに飽きてきたので、途中で砂糖やシナモンを足して食べました。

ココナッツミルクだけじゃなく、玉ねぎと塩を足すレシピもあるとか。

パンノキの実はじゃがいものようにしっかりとした味があるというわけでないので、色々なレシピに応用できそうです。

今後も色々なレシピに挑戦したいと思います。