パッションフルーツは世界の熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されているトロピカルフルーツ。
日本でも沖縄から福井まで広く栽培されているので、食べたことがある方も多いかもしれません。
ハワイではリリコイ(Liliko’i)という名前で親しまれ、市場だけでなく庭でもよく栽培されています。
そんなパッションフルーツの栽培、収穫そして食べ方についてまとめてみました。
パッションフルーツの基本情報
学名 | Passiflora edulis(トケイソウ科トケイソウ属) |
英名 | Passionfruit |
別名 | クダモノトケイソウ、リリコイ(ハワイ)、マラクジャ |
原産地 | ブラジル南部〜アルゼンチン北部(紫の品種)、アマゾン川流域(黄色の品種) |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
パッションフルーツはトケイソウ科に分類されるつる植物。
巻きひげをからませながら生長するので、栽培には網や柵が必要になります。
葉っぱは手のひら状(掌状)で、3つに分かれます。
樹勢が強く、生長も速いので、初心者でも栽培が簡単なフルーツだといえます。
どのくらい生長が速いかというと、種を発芽させてから実をつけるまでたったの一年くらい。
多年草ですが、生長が速い分、ほうっておくと3〜5年ほどで株がだんだんと弱くなってしまいます。
でも実をつけたあとの枝を切り返すせば長く楽しめます。
(枝の切り返し方については『庭先でつくるトロピカルフルーツ』に詳しいです)
これはパッションフルーツ(紫の品種)の花。
時計の文字盤を思わせるおしべ(5本で下向き)とめしべ(3つに分かれた部分)の配置からクダモノトケイソウと呼ばれます。
いっぽう、同じ花を見て、キリスト教徒は十字架につけられたキリストを想像したことから受難(passion)の果実(fruit)と名づけたそうです。
花が受粉に成功すると、丸くてつるつるした緑色の果実になります。
熟すと実は緑色から紫色や黄色に変化します。
食べごろになると地面にポトンと落ちるので、それを収穫します。
ちなみに花が咲いてから実を収穫できるまでにかかる時間は2〜3か月。
上の画像はすべて紫の品種のものです。
黄色の品種は下のような花を咲かせます。
紫の品種より花が少し大きく、紫色の部分が濃く、白いひげのような部分(副花冠)が長くて先端がクルクルと巻かれています。
肝心のフルーツも黄色の品種のほうが紫の品種よりひと回りくらい大きいです。酸味はより強めですが。
紫系と黄色系のパッションフルーツの違い
紫系のパッションフルーツはブラジル南部からアルゼンチン北部が原産と考えられており、比較的涼しい高地向き。
自家受粉なので、自分の花粉で受精します。
いっぽう、黄色のパッションフルーツはアマゾン川流域が原産といわれているため気温がより高い低地向き。
自家不和合性(他家受粉、self-sterile)なので、自分の花粉では受精しません。受粉に成功するためには別の品種の花粉が必要になります。
ちなみに私はハワイ島の標高 250〜300メートルで栽培してますが、紫と黄色の両方が順調に生育中。
日本でパッションフルーツを栽培するなら、紫系の品種がより簡単だと思います。
パッションフルーツの旬はいつ?
ハワイでは黄色の品種が 7月〜9月と 1月の年に 2回、紫色の品種は 9月〜11月に旬を迎えます。
パッションフルーツを食べてみた
これは 11月に収穫した紫色のパッションフルーツ。
一番左のものがもっとも新鮮で、右にいくほど時間が経っています。
新鮮なものは表面がつるつるしていてきれいです。
それを数日置いておくと、どんどん表面にシワが入ります。
そうしたら食べごろなので横半分にカット!
中にはぎっしりと黄色いゼリーに包まれた黒い種がつまっています。
生でそのまま食べる場合は、これをスプーンですくって食べるだけ。
この紫色の品種は、じゃっかん酸味があるものの、なかなか甘くておいしいです。
(黄色の品種は酸味が強め)
実を食べ終わったあとの殻の中はこんな感じ。殻の厚みは 3〜4ミリ程度。
内側にやわらかい突起があるのがわかると思います。
種はもともとこの突起にくっついているので、それをスプーンなどを使ってやさしくはがしてすくって食べます。
フルーツの長さは 6〜8センチくらいでした。
パッションフルーツの糖度
紫色のパッションフルーツの糖度を糖度計を使って測ってみました。
結果はなんと約 14.2%(度)と意外と高めでした。
まとめ
わが家ではパッションフルーツを生でそのまま食べますが、ジュースやジャム、シロップに加工されることが多いです。
パッションフルーツは熱帯・亜熱帯地域をもちろん、日本の夏にも栽培が可能なトロピカルフルーツなので、食用・観賞用に栽培してみるのも面白いと思います。
機会があればぜひお試しあれ!