VPN Gateを使ってVPNに無料で接続する2つの方法【Mac】

以前、こんな記事を書きました。

海外在住者なら知らなきゃ損!おすすめの無料VPNとその設定方法

記事では「ProtonVPN」と呼ばれるサービスを利用して、無料でVPNに接続する方法について書きました。

今回は、日本の国立大学・筑波大学が提供している無料のVPNサービス「VPN Gate」を利用して、MacでVPNに接続するための2つの方法を記事にまとめました。

ひかり

ProtonVPNでは無料で利用できる日本のサーバー数はたったの3つ。今回紹介するVPN Gateはその何十倍ものサーバーを無料で利用できるので知っておくと何かと便利!

 

VPN Gateとは?

VPN Gateは、筑波大学が無料で提供しているVPNサービスです。

学術的な研究を目的としているのと、サーバーが多数のボランティアによって提供されているので、ユーザーは無料で利用できます。ユーザー登録やクレジットカード番号の登録なども必要ありません。

VPN Gate を使うとできることは以下のとおり。

  1. 外国政府によるネット検閲を回避して、海外の動画サービスやサイトを閲覧できる
  2. IPアドレスがVPNサーバーのものに書き換わるので、ネットで安全に情報発信をしたり、Webコンテンツを閲覧できる
  3. データが暗号化されるので、公衆の無料Wi-Fiを安全に利用できる

 

VPN Gateは安全なの?

VPN Gateの開発は筑波大学の研究チームによって行われていますが、サーバーは数多くのボランティアによって提供されています。

誰でもボランティアになれるので、悪意のあるサーバー提供者がいる可能性もあります。サーバー提供者はあなたの情報を盗み出すことも可能です。

そのため、VPN Gateに限った話ではありませんが、無料VPNを利用する際には、パスワードやクレジットカード番号のような重要な情報を入力するのは控えましょう

 

MacでVPN接続する2つの方法(VPN Gate)

今回の説明ではmacOS Catalina(英語版)を使用しています。

これ以外のバージョンでも基本的な設定方法は同じですが、操作が若干異なる場合があります。

MacでVPNに接続する方法その1 (L2TP/IPsec VPN)

ここでは、Mac OS X に標準搭載されている「L2TP/IPsec VPNクライアント」を使って、VPN Gateが公開しているVPNサーバーへ接続する方法を説明します。

初期設定(最初の1 回だけ設定すればOK)

STEP.1

Mac の画面右上のメニューバーにあるネットワークのアイコンをクリック。

メニューが表示されますので、「Open Network Preferences…」をクリック。

ネットワークの設定画面が表示されます。

左下の「+」ボタンをクリックします。

下のような画面が表示されます。

  • Interface:VPN
  • VPN Type:L2TP over IPSec

をそれぞれ選択して「Create」ボタンをクリック。

新しい VPN(L2TP)の接続設定が作成されました。

STEP.2
下のVPN接続設定画面が表示されます。

ここでサーバーのホスト名または IP アドレスを入力していきます。

まずはVPN サーバー一覧のページを開きます。

上記のように、「L2TP/IPsec」と「OpenVPN」のチェックボックスにチェックを入れ、「サーバー一覧を更新」ボタンをクリックし、リストを絞ります。

そして、絞られたVPNサーバーの一覧から使用したいサーバーを適当に選びます。

選択したサーバーの「DDNS 名」(.opengw.net で終わる英数字) または「IP アドレス」(xxx.xxx.xxx.xxx の番号) をコピーして、下の VPN 接続設定画面の「Server Address」欄にペーストます。

Account Name」欄には「vpn」 と入力。

そして「Authentication Settings…」ボタンをクリックします。

下の認証設定の画面が表示されます。

  • Password:vpn
  • Shared Secret:vpn

と入力します。

入力したら「OK」をクリック。

STEP.3
一つ前の画面に戻ります。

Show VPN status in menu bar」にチェックを入れ、「Advanced…」ボタンをクリック。

詳細設定画面が表示されます。

Send all traffic over VPN connection」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。

一つ前の画面に戻ります。

Apply」ボタンをクリックして変更を適用します。

 

VPN接続に接続・切断する

VPN接続は、VPN接続設定画面で「Connect」ボタンをクリックすれば、いつでもVPN接続を開始できます。

また、Mac OSの画面上部のメニューバーに表示されているVPNのアイコンからも接続を開始できます。

VPN 接続中は、VPN 接続設定画面が以下のような「Connected」表示になり、接続時間および現在の VPN 内での IPアドレスが表示されます。

VPN接続を切断する場合は「Disconnect」ボタンをクリックすればOKです。

 

MacでVPNに接続する方法その2(Tunnelblick)

ここでは、Mac OS で VPN が使えるソフト「Tunnelblick」をインストールして VPN Gate のサーバーへ接続する方法を説明します。

Tunnelblickのインストール(最初の1回だけ)

STEP.1
ますは Tunnelblick を以下のサイトからダウンロードしてインストールします。
https://tunnelblick.net/downloads.html

今回の例では Betaベータ版(試用版)を使用しました。Stableステーブル版(安定版)でももちろん OK です。

上記サイトの「Beta」表記横のリンクをクリックするとdmgファイルのダウンロードが始まります。

インストールは画面の指示に従って行います。

ユーザー名とパスワードを入力する画面が表示されたら、Mac OS にログイン時のユーザー名とパスワードを入力してください。

STEP.2
インストールが完了すると、下のような画面が表示されます。

VPN接続用の設定ファイルがあるかどうかを確認されます。VPN Gateで設定ファイルをダウンロードするので、「I have configuration files」をクリック。

設定ファイルは、ファイル形式が「.tblk」「.ovpn」「.conf」であれば読み込めるとのこと。

OK」ボタンをクリック。

Tunnelblickのメイン画面が表示されます。

STEP.3
次に、VPN Gateの VPNサーバー一覧のページを開きます。

このページから、VPN サーバーへ接続するための OpenVPN 設定ファイル(.ovpn ファイル)を選んでダウンロードします。

ダウンロードするためには、青いフォントで書かれた「OpenVPN 設定ファイル」をクリック。

下のようなページが表示されます。

ピンクの枠で囲った ovpn ファイルをクリックしてダウンロードします。

(UDP と TCP の 2種類がありますが、どちらをダウンロードしても OK)

ダウンロードした ovpn ファイルは Tunnelblick メイン画面の左側にある「Configurations」へドラッグ&ドロップして読み込ませます。

opvn ファイルが読み込まれると、その設定をすべての PC アカウントに適用するかどうかを確認されます。

自分のアカウントにだけ適用するので「Only Me」ボタンをクリック。

ユーザー名とパスワードを入力する画面が表示されたら、Mac OS にログイン時のユーザー名とパスワードを入力してください。

これで Tunnelblick に接続設定ファイル(.ovpn ファイル)がインポートされました。

 

VPN接続に接続・切断する

Tunnelblick のメイン画面に戻ります。

VPN 接続を開始するには「Connect」ボタンをクリックすればOK。

緑色の文字で「(VPN名)Connected」という文字が表示されたら接続完了!

ちなみに Mac OS の画面上部のメニューバーには下のような Tunnelblick アイコンがあります。

Tunnelblick アイコンをクリックして、「VPN Details」をクリックすれば Tunnelblick のメイン画面が表示されます。

また、あらかじめインストールしたVPNへの接続設定も「Connect vpngate_public-vpn-xxxx.opengw.net_tcp_xxxx」という形で表示されますので、これをクリックすればVPN接続を開始できます。

 

まとめ

以上、VPN Gate を利用して VPN 接続する 2つの方法についてご紹介しました。

VPN Gate を活用すれば、以前紹介した ProtonVPN のような無料 VPN を使ってもアクセスできなかったサイトや動画サービスも利用できるようになると思います。

手順が多いので最初は難しく感じるかもしれませんが、一度設定さえしておけば、使っていくうちにだんだん慣れていく思います。

ぜひうまく活用してみてくださいね。